ロリータの後に続いたブルセラを予感させる学園風写真集のマニアックな解釈
青柳姉妹2


 前節で表紙だけであたかも失敗作の様な書き方をしたが、あくまでも当時のロリータ写真集のイメージとは明らかに一線を画した雰囲気だったといいたかったので、誤解をしないで欲しい。ついでに、ここで述べようとしているテーマとは外れるが、当時の一部のマニアックなロリコン層のこの写真集に抱いたイメージを紹介しておこう。
 ここに紹介したいくつかのカットを見てもらっても判る様にこの姉妹、とくに妹の麻里子は、表紙やパッケージだけでなく全編に渡って笑顔を見せない。それどころかカメラから顔を背けるカットさえある。これに食い付いたのがS系ロリコン層だった。彼らによれば、この姉妹は、親の借金のカタにヤっちゃん系の事務所に売られ、強制的に日本全国に全裸を晒させられた姉妹の苦悩の現れという事になる。この解釈に、今度はM系ロリコン層の一部は、その姉妹の恥じらい、屈辱感に共鳴した。どちらも筆者の身近にいた複数のマニアの反応であり、誰か一人が勝手にほざいた話ではない。当時のマニアはこうした精神世界まで踏み込んでロリコンライフを楽しんでいたというエピソードである。
 さて、そういったコアなマニアはさて置き、この写真集は一般のロリータ層にも新たな世界を提供した。それがセーラー服やブルマ、体育倉庫といった青春群像とロリータの融合だった。確かにこれまでにもエロ本のグラビアにはセーラー服もブルマもイヤというほど登場していた。しかし、その多くは女子高校生の象徴であり、中には本人や編集者は大真面目でセーラー服カットを撮ったのだが、読者にはどこかの会社の社員旅行の仮装大会に登場したOLにしか見えないという悲しい結果も珍しくなかった。
 しかし、この姉妹はまさにセーラー服世代であり、自前ではないだろうが着こなしが自然な上、廃校を中心に撮られた事も相俟ってリアル中学生の世界があった。
 前ページで代表的作品を挙げた、ロリータブームを代表する写真集は、同様のシチュエーションで撮られている織絵可南子の「心の色」を除くと、メルヘンチックな少女の世界を演出した写真集が圧倒的に多かった。その意味では、等身大の中学1年と3年の姉妹の世界、さらに、前述したコアなマニアの世界ほどではないにしろ、奈津子の明らかにブンむくれた様子も、中1の女の子が、カメラの前で素っ裸になれといわれたらこうなるよなァ、という形で効を奏したといえる。こうした等身大の制服少女の世界は、ロリコンブームが完全に消えた後のブルセラブームを予見させたといっても過言ではない。さらに、ビデオの中でも下半身を意識し過ぎて老婆の様に腰を曲げて動く事の多かった妹の手を引いて、堂々とカメラに向って胸を張っていた姉の奈津子のカットは、逆に豹柄のレオタードでバックからの挿入体位を思わせる、これもこの当時のロリータ写真集では見られない大胆カットまで披露して、まだこの当時残っていたロリータ=アート=否エロというイメージを払拭した功績も認められよう。もっとも、こうした評価は、あくまでも現代の視点であるのだが。




本文中でも触れた姉奈津子のレオタードカット。見づらくて恐縮だが、表情もまるでアクメ顔を思わせるような悩ましさである。


こちらはビデオ「日本の妖精」より。岩風呂で唐突に見せた姉妹キス。

第五回青柳姉妹2

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