ロリータ芸術の最高傑作
少女アリス


まだ“ロリコン”という言葉さえなかった時代に純粋に芸術書として発刊された
’70年代の超名作

 今回の『少女アリス』をご紹介する前に、ロリータブームという現象を簡単に遡っておきたい。出版業界で、少女のヌード写真が「売れ線」だと認識されたきっかけとなったのが’79年1月発行の「リトルプリテンダー」の爆発的ヒット。その後、’84、’85年あたりをピークに’81年から’88年頃までが第一期ロリータブームと呼ばれていた時期であった。
 一方、この写真集「少女アリス」は、’73年12月の発行である。つまり、この写真集が発行された当時は、少女ヌードが、エロ本として商売になるとは、誰も考えもしなかった時代だった。そうした時代背景は、後のブーム最盛期の写真集と比べるとヌードカットがかなり少ない事でも伺える(全体の2割程度なのだ)。
 「少女アリス」のタイトルからも判る通り、本作はあのルイス・キャロルの名作童話「不思議の国のアリス」に強く影響された本格アートといえる。不思議の国を始めとするキャロルの一連のアリスシリーズは、アリス・リデルという実在の少女に捧げられた作品である。現存する彼女の作品を見ると、本書のモデルの白人少女がとても似た雰囲気である事からも、二十一世紀版「不思議の国のアリス」である事を印象づけている。


『少女アリス』沢渡朔/河出書房/1973年発刊

第一回少女アリス

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