ロリータ芸術の最高傑作
少女アリス2


まだ“ロリコン”という言葉さえなかった時代に純粋に芸術書として発刊された
’70年代の超名作

 今回は前回に引き続いて沢渡朔の『少女アリス』を取り上げてゆきたい。
 前号でも触れたが、本書はロリータブームの流れに乗った作品ではなく、芸術書としてブームの約5年前に発行されている。この事実を念頭に置いて、改めて写真集『少女アリス』の魅力について語ってみたいと思う。
 なぜ、ブームの5年前という事を前提としなければならないのか。これも、前回に詳細を語っているので結論だけにとどめるが、裸を含め、いかなる子供の写真も、短絡的なエロスの表現とは完全に無縁だった時代の作品であるという事をはっきりとさせておきたいと思う。
 つまり、本作が企画され、撮影され、写真集として編集されて行くプロセスについて、ほんの僅かでもエロスを感じさせようなどという考えが入り込む隙間はなかったと思うのが順当な線である。なにせロリコンという言葉すら生まれていなかった時代なのだ。
 ところが、本作には、さんざんエロスを意識して撮られたロリータヌード写真集が氾濫した時代を過ごした後の現在の目で見ても、それらのヌードを、はるかに凌ぐエロチシズムを強く感じさせるカットが散見される。しかも、そうしたカットの多くは、ヌードどころか、下着さえも見せていないカットである事は注目に値する。正直、それは、ここ数年、根強い支持を集めている成人モデルの『着エロ』や、U-15系のギリギリTバック写真集などとは全く別次元の芸術的とも言えるようなエロチシズムであり、それゆえに激しく興奮を誘う。
 たとえば、下の上のカットだ。
 初めてこの写真集を書店で手に取ってペラペラとめくっていて、もっともインパクトが強かったのがこのテーブルに寝転ぶアリスのカットであり、同下の、木の上の悪魔を見上げるアリスのカットだった。前回で触れたが、ポスターになったワレメ丸出しヌードカットも当然ながら目を引いたが、なぜか、着衣で、しかも、特に挑発的なポーズでもないこれらのカットから押し寄せるエロスの香りの方が、かえって強烈な印象となった。カメラマンの沢渡氏が意識していたかどうかは不明だが、氏の底力、センスを心から感じた。





第二回少女アリス2

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